新元号は「令和」となりました。『万葉集』巻五 梅花三十二首并(あわ)せて序にある、「初春令月 気淑(よ)く風和(やわ)らぎ」という文句から採られています。
下の写真は、オーテピア高知図書館所蔵、高知の国学者鹿持雅澄(かもち・まさずみ)の著した『万葉集古義』(複製本)の該当部分の写真です。『万葉集古義』はそれまでにない精密な注釈本で、文政11(1828)年ごろ草稿ができ、天保11(1840)年に完成し、それ以後も天保15(1844)年ごろまで改正が重ねられています。
万葉集は、日本最古の和歌集で、国の防備に当たった防人(さきもり)の歌などでは、出身地の方言が使われているものもあり、言語学的にも重要な資料です。
万葉集が成立した時代には、ひらがなやカタカナはまだなく、万葉仮名という音が同じ漢字をあてたものが使われています。また、昔の本には句読点(「、」や「。」)はありません。そのため、本当のところ、どう読むのかというと学者によって説が異なる場合もあります。
現在でも、万葉集に関する本はたくさん出されています。そのため、万葉集とその関連書だけで911.12という単独の分類番号が割り当てられています。9は文学、91は日本文学、911は日本文学の詩歌、911.1はそのうち和歌の分類番号で、911.12で万葉集の分類番号となっています。なお、オーテピア高知図書館では、書庫に収められているものが多数ですが、カウンターやデスクで書庫出納(すいとう)の手続きをしてご覧になることができます。
※平成31(2019)年4月末まで、オーテピア高知図書館2階総合カウンター前で「万葉集」の本の展示を行っています。